HOME南と北の海に潜って会いたい魚 > 真冬の積丹でトドを追う

真冬の積丹でトドを追う

日中の気温がマイナス10℃、水温3~7℃。ある者は「オペラ座の怪人」ばりの「お面フード」を被って、吹雪の中、颯爽と海に飛び込んでいく。北海道積丹半島のスポットでは、トドの大群に巡り合える。陸に固まって集まる習性があるが、水に入ると大群になって押し寄せてくる。陸上ではすぐに逃げ出した彼らが、水中では好奇心いっぱいにダイバーに近づいてくるのが面白い。

トド 日本海のトドは、主にサハリン領から流れてきたもので、北海道に来るなり「害獣」として追われてしまう運命になる。しかし、絶滅危惧種とも言われる彼らだが、すっかり絶滅してしまったニホンアシカと同じ運命をたどるのかと思うと少々怖い。しかし、トドの魅力に魅せられて北国に移住してダイブするのには相当な覚悟がいる。しかし、トドを絶やさないためにも、一人でも多くのダイバーがトドを愛することである。

北の巨獣に会える海

冬の北国の海を潜るのは、リスクが大きいが、トドを狙いたいならやはり冬になってしまう。トドとは、オスは体重1tにもなる巨大な動物で、主に日本の海だとオホーツク海、北太平洋、日本海に分布する。戦後の漁業被害で大掛かりな駆除が行われ、約2万頭前後が駆除された。そのために数が激減し、日本哺乳類学会では絶滅危惧種として指定している。